山 名 大天井岳 登頂No 169 所 在 長野県 標 高 2,922 登頂日 2020/8/21
 北アルプスに初めて挑戦した。 選んだ山は「大天井岳」と「燕岳」。 理由は、初心者向けということだが、燕山荘に泊まって、燕岳だけではちょっと物足りない、表銀座を歩いてみたいだった。 燕山荘と大天荘間はコースタイムでは3時間(実際は4時間かかった)となっていた。 中房温泉から燕山荘までが5時間。 朝早く登り始めれば、中房温泉から大天荘まで8時間、わての足でも7時間あればなんとかなると考えたのだが、甘かった。 早朝に出発、午前中に燕山荘に着き、表銀座を歩いて15時に大天荘という一日、同じコースを戻りつつ2座を登ることにした。 車を中房温泉に置くため、 大天井岳の先の常念岳まで制覇して一ノ沢に下るルートがとれない。 後で考えると、自分の年齢と体力の消耗を考慮して、燕山荘と大天荘に二泊すればよかったと思ったのは、まさにあとのまつり。

(1日目)中房温泉第一駐車場→合戦尾根→燕山荘→大天荘
 4時過ぎくらいから周りがざわつき始め、5時には起きる。 朝食を済ませて、登山口には5時40分、いよいよ合戦尾根を登る。 さすがにアルプス3大急登というだけある、かなりきつい。 30分程登るごとにベンチが設けられているので、これが目安になる。 それにしても緩むところがほとんどなく、延々と登る。 「合戦小屋まであと10分」の看板に、感動を覚えるほどにつらかった。 合戦小屋は名物のスイカがあるが、スイカが苦手なので食べず。 ここで20分ほども休み、燕山荘を目指す。 ここからの1.5時間がつらい。 途中、はるか西の山にある大天荘らしきものをみて、あそこまで行くのかあと、正直なところ心が萎えたほどに遠く感じた。 燕山荘は尾根の上にあり、そこに到達したときの景色の変わりようは、どうにも表現できないほどのご褒美だった。 それまでの5時間20分が嘘のように飛び散るほどの景色。 このご褒美があるから、山登りはやめられないのだ。 写真をたくさん撮り、昼食を済ませる。 この景色でいただくおにぎりは美味しかった。 12時に大天荘へ向けて表銀座の稜線歩きを開始。  コースタイムは3時間だが、これは真っ赤な嘘で、大下りの頭に着いてすでに2時間30分。 大キレットをくだり、最後の急登を登るのに四苦八苦。 途中で一緒になったおばさんのグループに助けられて、大天荘にたどり着いたのは4時だった。 新型コロナで大部屋は細かく仕切られていた、一人部屋は1.5帖くらい、廊下とはカーテンで仕切られただけ。 不穏の上に寝袋、さらに持参したインナーで過ごした。 夕食は5時から、朝食は5時15分から一斉だそうだ。 メニューはサバの味噌煮(レトルト)が」メインだが、それ以外にいろいろついていて山小屋の夕食としては豪華だ。 周りのかたとの談笑もあり、疲れもそれなり取れたような気になる。
 
(2日目)大天荘→大天井岳→燕山荘→燕岳→中房温泉
 雲海の中から昇る日の出をみて、すぐに朝食。 この朝食も割と豪華。 すぐそこの大天井岳に登る、ほんの10分。 岩だらけの頂上だが、槍が目の前。 この近さの槍は初めてで、感動もの。 しかし、昨日からの疲れが取れていないのと、やはり2900mの高所で空気が薄いので、少し歩くとつらくなる。 6時15分に出発、表銀座を戻る。 昨日より楽なはずだったが、そんなことはなく、つらいつらい。燕山荘にたどり着いたのが10時過ぎ。 念願の燕岳へは、リュックを山小屋のリュック置き場において出かける。 荷物がないとかなり楽だ。 花崗岩の風化した独特の風貌をもつ燕岳、ここから昨日今日歩いた稜線を全部見渡すと、よくもこんなに歩いたものだと感心した。 大天荘が豆粒ほどにしか見えない。 燕山荘に戻りパンの昼食を済ませてゆっくりしていると、どうも雲の具合が怪しい。 早めの下山が良いだろうと、11時15分に下山開始。 合戦小屋に着いたら、ポツリポツリと来てしまった。 そこからまさに土砂降り、雷鳴が近くで轟き、生きた心地なし。 しかも、10年物の合羽は防水が切れていて、おまけに登山靴もだんだんと浸水する始末。 そこから延々と2時間以上下り続ける。 膝はガクガク、肩は痛い、腰も痛い。 中房温泉にたどり着くまでの長かったこと。 うわっぱらの湯で風呂に入り、すぐ近くにあった大町温泉無料駐車場に泊まる。 全身が満身創痍状態でした。  今回の山旅は、計画が無謀だったのが最大の反省。 1日目に9時間、2日目が8時間はいかにもきつかった。 山小屋泊まりでは、不要なもの(コンセントがないのに充電器、シャツ、ダウン)を持ちすぎ。 よかった持ち物のは、(歯ブラシ、ウイスキーは量が足りなかったが) サブバッテリーを車に積んでいながら、持たなかったのは失敗。 山小屋泊まりで登山する場合、二日間合計で10時間が限度だろう。

かなりくたばって合戦小屋に到着

尾根に出るのに5時間20分、標高差が約1250m  苦労しましたが、この絶景に満足満足

表銀座は5時間以上上ったあとでは辛かった。

まあ、美味しかったこと

山小屋らしくない? 美味しかったです。

朝、5時5分の日の出

朝食を食べたあと、ちょくら大天井岳まで登る。 槍が目の前、いい景色でした。